パン屋オーナーインタビュー|横浜の住宅街で12坪の店を切り盛りする30代オーナーの挑戦

オーナーインタビュー

「最初の食パンが売れた瞬間、胸が震えました」

そう語るのは、神奈川県横浜市の住宅街で小さなパン屋を営む30代のオーナー山崎さん(仮名)。

結婚を機に安定した会社員生活を続けていたものの、どうしても「パン屋を持ちたい」という夢を諦められず、独立に踏み切ったといいます。

本記事では開業の経緯から、日々のオペレーション、経営の工夫まで、リアルな声をお届けします。

開業のきっかけ─夢追いから現実へ

パン屋オーナー

山崎さんは大学卒業後、食品とは関係のない会社に就職。

安定した収入はあったものの、「いつかパン屋を持ちたい」という思いを消せずにいました。

結婚を機に「もし挑戦するなら今しかない」と夫婦で話し合い、思い切って独立を決断しました。

物件探しで選んだのは横浜市の閑静な住宅街。駅から徒歩10分ほどですが、近隣に学校やスーパーがあり、毎日の買い物動線に入る場所でした。

「人通りは多くないけれど、“ここに住む人たちの生活習慣に入り込みたい”と思った」と振り返ります。

看板商品「キューブ食パン」に込めた思い

人気のキューブ食パン

店の看板商品は「キューブ食パン」。

派手さはありませんが、毎日食べても飽きないことを第一に考えました。

小麦の種類ごとに吸水率を細かく調整し、季節によって酵母の扱いを変えるなど、仕込みの工夫を重ねています。

「特別なパンではなく、“暮らしを支えるパン”を作りたい」というのが山崎さんの哲学です。

実際、開店当初からの常連さんの多くは、週に2〜3回食パンを買いに来る家庭だといいます。

12坪の店を回す日々のオペレーション

オペレーション

店は12坪。

製造と販売が同じフロアにあり、仕込みから接客まで山崎さんが中心となって回しています。

朝4時に仕込みを始め、開店は午前8時。

閉店後は翌日の仕込みと発注確認で夜までフル稼働の日々です。

「体力的に厳しいこともありますが、焼き上がったパンを受け取ったお客様の笑顔を見ると報われます」と語ります。

資金と経営のリアル

資金リアル

独立時の初期投資は約800万円。

居抜き物件を活用し、必要最低限の改装と設備投資でスタートしました。

内訳はオーブンやミキサーなどの設備に500万円、内装に200万円、運転資金に100万円。

金融機関からの借入と自己資金を組み合わせて工面しました。

「資金は潤沢ではなかったので、仕入れと光熱費の管理には特に気を配りました。毎月のキャッシュフローを可視化し、最悪でも半年は持ちこたえられるよう備えました」

これからの展望

食パン作り

山崎さんは今後について「まずは地域に根ざすことを最優先にしたい」と話します。

将来的には子どもができた時に「お父さんのパン屋」と胸を張れるような存在に育てたいとも考えています。

また、もし将来のライフプランに合わせて事業を譲渡する必要があれば、地域で長く愛される形で残したいとも語りました。

まとめ

  • 開業のきっかけは「夢追い」からの独立
  • 看板商品は「毎日食べられる食パン」
  • 12坪の小さな店舗を夫婦で切り盛り
  • 資金計画は居抜き+最低限の投資で800万円規模
  • 未来は「地域とともに続くパン屋」を目指す

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この記事は匿名オーナーのインタビュー内容をもとに再構成したものです。実在の人物・店舗とは一部内容が異なります。

監修・執筆:BakeryBiz編集部

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この記事書いた人


BakeryBiz コンサルタント 山本 遼

(M&A・ブランド支援担当)

年商億規模のパン屋を経営し、事業売却を経験。
現在は全国のベーカリーを対象に、M&Aや事業承継を支援。
現場視点と実務知識を活かし、納得のいく譲渡をサポート。

株式会社アルチザンターブルは、中小企業庁のM&A支援機関に登録されており、「中小M&Aガイドライン」を遵守した適正な支援を行っています。
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