パン屋が賃貸店舗でも売却できますか?大家さんへの確認と譲渡の注意点

パン屋を売却したいと考えたとき、「うちは店舗を借りて営業しているけれど、それでも売却できるのか」と不安に思う方は多いと思います。

結論から言うと、賃貸店舗のパン屋でも売却できる可能性はあります。

ただし、持ち物件の売却とは違い、店舗の賃貸借契約について大家さんや管理会社の承諾が必要になるケースが多くあります。

パン屋の売却では、設備やレシピ、屋号、常連客、営業実績などを買い手に引き継ぐことはできます。

一方で、「その場所で営業を続けられるか」は、物件契約の条件によって左右されます。

賃貸店舗でも譲渡の対象になるもの

賃貸店舗の場合でも、次のようなものは譲渡対象になることがあります。

  • 厨房設備
  • 店舗内装
  • 屋号や店名
  • レシピ
  • 商品メニュー
  • 仕入れ先
  • SNSアカウント
  • 常連客や地域での認知
  • スタッフの引き継ぎ
  • 営業ノウハウ

買い手にとっては、ゼロからパン屋を開業するより、設備や内装が整った状態で始められることは大きなメリットです。

そのため、店舗を所有していなくても、営業中のパン屋として引き継げる価値があれば、譲渡の可能性はあります。

大家さん・管理会社の承諾が重要

賃貸店舗の売却で特に大切なのが、大家さんや管理会社の承諾です。

売り手と買い手の間で「譲渡しましょう」と合意しても、買い手がその場所で営業を続けるには、賃貸借契約の名義変更、新規契約、または契約上の承諾が必要になることがあります。

契約書に、賃借権の譲渡や転貸を禁止する条項が入っているケースもあります。

そのため、賃貸店舗のパン屋を売却する場合は、必ず賃貸借契約書を確認し、どのような手続きが必要かを把握しておくことが大切です。

売却が進みやすいケース

賃貸店舗でも売却が進みやすいのは、大家さんや管理会社との関係が良く、買い手がそのまま営業を続けることに理解を得やすいケースです。

また、家賃が周辺相場と比べて高すぎない、契約条件が厳しすぎない、店舗の用途がパン屋として問題ない、設備や内装が使える状態で残っている場合も、買い手にとって検討しやすくなります。

特にパン屋の場合、厨房設備や電気・ガス・給排水の条件が重要です。買い手が大きな改装をせずに営業できる状態であれば、賃貸店舗でも魅力はあります。

売却が難しくなりやすいケース

一方で、賃貸店舗の売却が難しくなるケースもあります。

たとえば、大家さんが名義変更や新しい借主との契約に消極的な場合です。

また、家賃が高い、契約更新が近い、原状回復義務が重い、設備の撤去条件が厳しい、用途変更が必要になるといった場合も、買い手は慎重になります。

売り手側が「このまま引き継げる」と思っていても、実際には新しい契約が必要になる場合があります。後からトラブルにならないよう、早い段階で契約内容を確認しておきましょう。

相談前に整理しておきたいこと

賃貸店舗のパン屋を売却したい場合は、次の内容を整理しておくとスムーズです。

  • 賃貸借契約書
  • 契約期間と更新時期
  • 家賃、共益費、保証金
  • 原状回復の条件
  • 名義変更や譲渡に関する条項
  • 大家さん・管理会社との関係
  • 厨房設備や内装の所有者
  • リース設備の有無
  • 買い手が同じ場所で営業できる可能性

特に、設備や内装が「自分の所有物」なのか、「物件側のもの」なのかは確認しておきましょう。

譲渡対象にできると思っていた設備が、実はリース品や貸主側の設備だったということもあります。

賃貸店舗でも、まずは売却可能性を確認する

パン屋が賃貸店舗でも、売却できる可能性はあります。

ただし、ポイントは「店舗そのものを売る」のではなく、設備・内装・屋号・レシピ・顧客関係・営業ノウハウなどを引き継ぐ形になることです。

そして、その場所で買い手が営業を続けられるかどうかは、賃貸借契約や大家さん・管理会社の承諾によって変わります。

閉店を考えている場合でも、すぐに設備処分や退去準備を進める前に、店舗譲渡の可能性を確認してみることをおすすめします。

賃貸店舗であっても、使える設備、良い立地、常連客、地域での認知があれば、次の人にとって価値になる可能性があります。

BakeryBizでは、パン屋専門で店舗売買・譲渡・M&A支援を行っています。
また、店舗の経営改善・コスト分析・黒字化支援も行っています。

スタッフは、全員がベーカリー出身者です。専門知識をもった経験豊富なスタッフがお客様を最後まで丁寧にサポートいたします。

ご相談は完全無料ですので、お気軽にご相談ください。

「BakeryBiz」を運営する株式会社アルチザンターブルは、中小企業庁のM&A支援機関に登録されており、「中小M&Aガイドライン」を遵守した適正な支援を行っています。
M&A支援業者への手数料を補助する「事業承継・M&A補助金」も条件に応じご活用いただけます。

bakerybiz

この記事書いた人


BakeryBiz コンサルタント 山本 遼

(M&A・ブランド支援担当)

年商億規模のパン屋を経営し、事業売却を経験。
現在は全国のベーカリーを対象に、M&Aや事業承継を支援。
現場視点と実務知識を活かし、納得のいく譲渡をサポート。

株式会社アルチザンターブルは、中小企業庁のM&A支援機関に登録されており、「中小M&Aガイドライン」を遵守した適正な支援を行っています。
M&A支援業者への手数料を補助する「事業承継・M&A補助金」も条件に応じご活用いただけます。

参考情報

監修・執筆:BakeryBiz編集部
※本記事は公開情報と筆者の実務経験に基づき執筆しています。統計値は出典の算出方法・時点により変動します。
※本記事は一般的情報提供を目的としています。実際の契約・制度は最新の一次情報をご確認ください。